食品微生物の簡単な説明
大腸菌群数



 大腸菌群と大腸菌の違いについて、よく質問されることがあります。
大腸菌群は、食品衛生上の分類で、大腸菌と同じような性質を持つ
「人や動物の糞便にいる菌 + 自然界に広く存在している菌」です。
大腸菌群は、人や動物の糞便中に多数存在する大腸菌(E.coli)のほかに
大腸菌に分類されていない菌で、自然界に広く存在する糞便由来でない多くの
菌を含んだもので、衛生管理のための汚染指標として考えられています。
つまり、大腸菌群が検出されたからといって、不潔だとはいえず、さらに安全性を
確認する場合は、大腸菌についての検査をする必要があります。
エビフライとかサーモンフライなどの原材料から大腸菌群がよく検出されます。
これらは、糞便由来でない菌が検出されやすい食品ですが、加熱後摂取食品に
分類されますので、調理時の加熱をきちんと行えば、全く問題ないと考えられます。
また、加熱処理された食品から大腸菌群が検出された場合は、加熱処理や加熱後の
二次汚染などに由来します。
腸管系病原菌汚染の可能性があり、安全な食品でないと考えられます。